天恵

古い壁の絵に 描かれた砂漠を

ひとり月を見上げ 歩く流漂人よ

夜に額づき 膝をついて祈る

いつか私を奪う 遥かな空の果てに

永遠という 時は誰かの胸に

刻まれ 形なきものとして生き続ける

 

水が枯れても 太陽に追われて

言葉尽きても 静かに名を呼ぶ

主なく 道に咲く花のように

 

風に消せない 憎しみに囚われ

じっと闇の中を 深く目を閉じて

夢に消えない 愛しき人の顔

影を掴むように 手をかざしてみても

頬につたわる 涙 汗のように

全てを委ねるままに 両手を拡げて

 

大地が焼けて 空が落ちようとも

星は教えた 赦されることを

 

限りある 命の真実を

限りなき 永遠の約束を

限りある 命の真実を

限りなき 永遠の約束を